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教えるとは「評価すること」ではなくて「わかってあげること」

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昨日、中学1年生の生徒さんが解いた問題の答え合わせを一緒にやるなかで、こんな間違えがありました。

真ん中の(2)の問題。

式の値を代入して

「−9−8」としたところまでばっちり合っています!

そのあと答えを「+17」と書いています(解説したあと正解の「−17」を書いて、青でマルをしています)

 

塾で一緒に答え合わせをしたときにしろ、自分で家で答え合わせをしたときにしろ、大事なのは間違えを見つけたところからですね。

「わかってあげる」か「評価する」か…

手前みそですが、私とその生徒さんとのやり取りは…

「わかってあげる」からスタート

ここからなぜ答えを「+17」にしたかをその生徒さんに聞いてみます。

すると、

生徒さん
「ー(マイナス)とー(マイナス)だから+(プラス)になって…」

塾長
「なるほど!そうか!
(−9)×(−8)のかけ算なら、ー(マイナス)とー(マイナス)で+(プラス)になって
(−9)×(−8)=+72だね。

でもこれはかけ算じゃないから…」

生徒さん
「そうか!−17だ!」

とわかりました!

そして一気に表情が明るくなりました!

 

「−9−8」の式は、「−9」のあとにすぐに「−8」がついています(かけ算ではないということです)。

教科書では「−9+(−8)」と書き換えて学んだりもします(「−9」と「−8」を足しているということ)。

よくきぼう塾では、

塾長
「マイナス星人が9人と、マイナス星人が8人だね。
同じマイナス星人で味方だから仲間になって、結局マイナス星人が17人になる。
だから答えは−17」

みたいな説明もします。

(これが「−9+8」だったら、
「マイナス星人9人とプラス星人8人だね。
マイナス星人とプラス星人は敵なので、戦って消えていくよ(相打ちで死んでいく)。
どっちが残る?
そうマイナス星人のほうが1人多いからマイナス星人が1人残るね。

だから答えは−1だよ」
となります)

 

とにかく明るくなった表情が嬉しかった!

このわかったときの明るい表情はほんとになんとも言えない嬉しい瞬間ですね!

要するに、生徒さんの頭の中をよく観察して、整理して、なぜその答えにしたのかを

「わかってあげて」「代弁」しました。

※「代弁」についてはこのブログを参照

それで、どうしてそれが間違えで、なにが正解かが「わかった!」わけです。

(もちろん、このあと、しっかり理解が定着するまで練習を繰り返さないといけないですが)

本来、勉強というか「学ぶ」というのはこういうふうに明るい表情になることだと思うのですが、なかなか現実は、つまらない、楽しくない、つらい…みたいになっちゃいますね。

 

やってはいけないのが「評価」すること

よく保護者の方から、

保護者
「家で私が教えるとつい『なんでわからないの!』と怒ってしまって子どもとケンカになっちゃうので(塾でお願いします)…」

というお話を聞くことがあります。

この「なんでわからないの!」「まだそんなこともできないの?」という言葉がけは、意外と学校やいろんな塾でもよくある話かもしれません…。

勉強が嫌いになる原因のひとつですね。

 

「−9−8=+17」

が間違いだとわかって、

お子さん(生徒さん)が「なんで違うのかな…?」と思っているときに、

つまり「なにが正解でどう考えればいいのか知りたい(教えてほしい)」と思っているときに、

「なんでこんな問題もわからないの!」

と言われる。

この言葉には「だめね」「ばかね」というニュアンスが含まれてますよね。

つまり「だめね」「ばかね」と

「評価」している。

お子さん(生徒さん)は自分が「だめ」とか「ばか」とかの評価をしてほしいのではないはずです。

口に出して言わないかもしれないですが、心の奥底には「知りたい」「できるようになりたい」という思いがあって、

もっと言えば「できるようにしてほしい」という思いがあるんだと思います。

それをつい「だめ」「ばか」と評価して終わってしまう…。

かくいう私も5歳の我が子(男の子)につい「評価」してしまうのですが…。

たとえがあまりよくないですが…

トイレでおしっこでパンツを濡らしたり、床にかかったりしたときに、

「なんでそうなるんだよ〜!」と怒ってしまいます。

その言葉のなかには「だめだな〜」という評価がありますね…(反省)

子どももおしっこでパンツを濡らしたい、床を汚したいわけではないはずです。

まだ「どうしたらおしっこ上手にできるか教えてよ!」とは言いませんが、心の奥には言葉にできない「なんでこうなるのかな…」「どうしたらいいのかな…」という思いがあるんだろうと思います。

だから「ちゃんとおちんちんを手で持って、しっかりおしっこがどっちに飛ぶか見て、よそ見せずにやるんだよ」と優しく具体的に教えてあげらればいいんですね…。

自分の子どもだとつい評価をしてしまいがちです…。

 

目の前の生徒さんをありのままに受けとめて、

どんなことを考えているのか、どんな思いなのかを聞いて

「わかってあげる」「代弁してあげる」

ことが大事だなとあらためて実感しました。

つい、

「評価」していないか…

いつも自分を振り返りながらやっていきたいと思います!

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